- 2025年3月18日
- 2025年4月20日
骨粗鬆症(後編)|首や腰の知って得する背骨(せぼね)のお話

みなさん、こんにちは。
前回に引き続き、骨粗鬆症に関するお話をします。今回のテーマは、骨粗鬆症に合併することで知られる椎体骨折・圧迫骨折(骨粗鬆症性椎体骨折)についてです。
椎体骨折・圧迫骨折の受傷原因
受傷原因などは転倒などの外傷や、いつ発生したのか不明の場合もあります。
椎体骨折・圧迫骨折が起こりやすい部位は、腰のやや上部の胸腰椎移行部と呼ばれる部分です。
国内では骨粗鬆症性椎体骨折は60歳代で約10%、70歳代になると30から40%の方に発症しています。治療の基本は、発症早期の2~4週間の安静とコルセット着用です。これによって70%の方は治るといわれています。
椎体骨折・圧迫骨折の合併症
統計では、新鮮な椎体圧迫骨折の30%は徐々に圧潰が進行し、13%は骨折部分が癒合しない、いわゆる偽関節となり、3%は潰れた骨の圧迫による神経症状(麻痺、感覚障害など)を合併するといわれています。
椎体の圧潰の進行は、骨粗鬆症による骨の脆弱性と、新しい骨形成能の低下によって、骨折部分の癒合が完成せず偽関節になり、不安定となるために起こります。このように偽関節や、神経症状を合併した場合には手術治療が必要な場合があります。
適格な画像診断が重要で、CT、MRIが有用です。早期診断、早期治療、適切な治療をして、変形、麻痺を起こさないことが重要です。
椎体骨折・圧迫骨折と言われたことがある方は、当院に受診してみてください。
(監修:理事長 森俊一)