脊椎圧迫骨折
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脊椎圧迫骨折とは
脊椎圧迫骨折は、脊椎(背骨)を構成する椎体に屈曲方向の圧力が加わることで生じる骨折です。特に、骨粗鬆症などによって骨の強度が低下しているご年配の方に多くみられます。
原因と発症の仕組み
脊椎圧迫骨折は、骨の強度低下と外力が重なることで発症します。
脊椎圧迫骨折が起こりやすい背景
加齢や骨粗鬆症をはじめ、多発性骨髄腫や転移性骨腫瘍などの基礎疾患により骨が弱くなっている方に多く発生します。
受傷のきっかけ
ご年配の方は、転倒して尻もちをつく、くしゃみをする、重い物を持つといった軽い動作でも発症することがあります。一方で、交通事故や高所からの転落など、強い外力が加わることで生じる場合もあります。
力学的な発症メカニズム
脊柱に縦方向の圧迫力や強い前屈の力が加わることで、椎体の前方部分が押しつぶされ、くさび状に変形します。
脊椎を前方・中央・後方の3つの支柱に分けて考える3柱説では、圧迫骨折は主に前方支柱のみが損傷している状態と定義されます。中央支柱まで損傷が及ぶと破裂骨折となり、脊椎の不安定性が高まります。
起こりやすい部位
脊椎圧迫骨折は、特定の部位に起こりやすい特徴があります。
最も多いのは、第10胸椎から第2腰椎にかけての胸椎と腰椎の移行部です。この部位は、動きの少ない胸椎と動きの大きい腰椎が連続するため、力学的な負担が集中しやすくなっています。
また、中下位頸椎でも、頭部に強い軸方向の力が加わることで発症することがあり、ダイビング事故などが原因となる場合があります。
主な症状
痛み
腰や背中の痛みが主症状で、身体を動かすと強い痛みを感じるため、日常動作が困難になります。
身体の変形
椎体がつぶれて変形することで、背中が丸くなる脊柱後弯や円背の原因となることがあります。
神経症状
通常は神経の通り道が保たれるため、神経症状はあまり見られません。しかし、骨片が後方へ突出した場合や、脊椎の不安定性が強い場合には、しびれや麻痺などの神経障害を生じることがあります。
検査と診断
診断および重症度の評価は、主に画像検査によって行われます。
X線検査(レントゲン)
側面像で椎体のつぶれや、くさび状に変形しているかどうかを確認します。椎体の高さを測定する定量的評価法では、前方・中央・後方の高さを隣の椎体と比較し、20%以上の低下がある場合に骨折と判断します。
また、半定量的評価法では、椎体の高さや面積の減少率に基づいて、正常から重度まで段階的に分類します。
MRI検査
X線検査だけでは、骨折が新しいものか古いものかを判別できないことがあります。MRI検査では、骨の中の炎症や浮腫を確認でき、新鮮な骨折かどうかを判断するうえで大変有用です。
治療方針
治療は保存療法が基本となりますが、状態に応じて手術が選択されることもあります。
保存療法
コルセットやギプスによる固定、安静の確保、痛み止めの使用、骨粗鬆症に対する治療を行います。多くの場合、保存療法で症状は改善しますが、骨が十分に癒合しない場合や、偽関節と呼ばれる不安定な状態になることもあります。
手術療法
保存療法で痛みが改善しない場合、早期に動けるようにする必要がある場合、または脊椎の不安定性によって神経障害のリスクが高い場合には手術が検討されます。
椎体形成術では、椎体内に医療用セメントを注入して骨を安定させます。バルーンで椎体の形を整えてからセメントを注入する方法もあります。
脊椎固定術では、スクリューやロッドを用いて脊椎を固定し、安定性を確保します。
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